・保存安定性が悪いエマルションは、クリーミング/凝集/合一のいずれかの挙動を示して油相と水相が分離してしまいます。
・製品がエマルションの場合、乳化されたまま使用されなければ適切な効用や官能特性を発揮することができません。
・この保存安定性の指標を把握するためにはレオロジー測定を行いサンプルの流動特性(粘度vsせん断応力)を取得する必要があります。小さい応力における粘度(ゼロせん断粘度)は、エマルションが容器に入っているときの非常に弱い応力(クリープ応力)が加えられているときの粘度に相当します。

・これらの流動特性を理解するために、ストークスの法則を参照します。ストークスの法則は、エマルションの液滴の移動速度を算出できます。

・ここで流動特性を見ると、ほとんど同じようなカーブを描くサンプルであっても,小さい応力における粘度(ゼロせん断粘度)が異なります。

・ゼロせん断粘度が大きい場合は、乳化液滴は液相を移動しにくく、液滴のクリーミング / 凝集 / 合一が起きにくいと言えます。

・エマルションの安定性に影響を与えるのは粘度以外にも化学的な要因も考えられます。しかし、サンプルの組成に大きな差がなく、ゼロせん断粘度が異なる場合にはこの値が大きい方が安定したエマルションであると言えます。